AIを活用したプログラム医療機器の承認状況まとめ(スプレッドシートあり)
1.承認状況をまとめました!!
こんにちは。Milk.株式会社CFOの藤井富実矢(ふじいふみや)です✨
Milk.は、ハイパースペクトルカメラという特殊な撮像機器を使用したがん診断AIを開発しているベンチャーで、数年以内の医療機器承認に向けて準備を進めています。
立場柄、裏付けとなる調査をすることもあるのですが、調査の初めに必須なのが過去の類似承認事例です。
事例があれば、承認されるかのイメージも掴めますし、同種の医療機器であれば、クラスが分かるだけでかかる費用や期間も推測可能です。
その際によく使用するのが、PMDAが用意している過去の承認事例に関する検索フォーム
こちら→(https://www.std.pmda.go.jp/stdDB/index_jmdn.html)
ただ、このフォーム、、、検索の際に「一般的名称」や「定義」で行う必要があって使いづらく、「アイデアを思いついたけど、これって承認されるのかな?」とか「承認にかかる労力はどれくらいかかるかな?」と疑問をもった段階の方には取っ付きづらいのではと思いました。
あと、意外に製品名と一般的名称やクラス分類がまとまった資料がネットに転がっていないため、それを調べるだけで少し時間がかかります。
なので、後続の方のために、それぞれを対応させたデータを作りました!
(2022年7月22日更新版 まだ少ないですが、複製・加工などご自由にどうぞ)
また、新しく承認された医療機器のクラスを調べたい時は、「”製品名”+一般的名称」で検索するとPMDAの公式なデータが出てくるので、そこで一般的名称をGetしてからこちらの検索フォームで検索するのが確実です。
2.AI関連プログラム医療機器についての雑感
あとは、AIに関するプログラム医療機器の承認に関する雑感だけ書いておきます。(専門家ではないので、個人の意見として受け止めていただければ)
現状、AI関連のプログラム医療機器はクラスⅡか、クラスⅢに分類されていて、それは主に「病変検知」(クラスⅡ 管理医療機器)か「疾患鑑別」(クラスⅢ)で分かれるようです。
前者と後者でクラスが分かれるのは、前者の目的が病変候補をマーキングする事による「医師の診断サポート」であるのに対して、後者は病変候補を提示するだけでなく定量的に評価を行い、診断結果に大きく影響することを懸念しているからだと思われます。
なので、今考えている医療機器が、数値による診断結果を返す場合は、過去の事例からクラスⅢと判断される可能性は高いかと思われます。
ただ、もちろん対象症例やそれに伴うリスクに応じて、クラス分類は分かれると思われるので実際はPMDAの方に聞いてみないと分かりません。
その際にはまず、RS戦略相談(30分無料)をおすすめします。
そこから、有料の対面助言(2時間有料、医療AI系なら90万円弱〜かと)に進むのが通常の流れです。ベンチャーや中小企業には相談料を半額補助する補助金があったりもするので、見てみるといいかと。
3.まとめ
医療機器承認には、開発・製造以外にもQMS体制の確立や各種承認の取得、臨床試験の実施など様々な障壁が存在します。アメリカと比較して承認について保守的と言われている日本ですが、条件付き早期承認や、AIの改良の際の審査を簡略化するIDATEN(変更計画確認手続制度)など少しずつ規制緩和がされており、ベンチャーにも追い風があるかと思います。
今後、国内でも多くのイノベーションが起きてくることを期待していますし、Milk.がその一翼を担えればと思っています。
この記事が何かの参考になれば嬉しいです。
それでは。