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2025.3.2 ハイパースペクトルカメラ

ハイパースペクトルカメラ×ドローンの活用

2025.3.2 お知らせ

Milk.株式会社は宇宙技術「ハイパースペクトルカメラ」を中核技術として所有するディープテックスタートアップです。現在は、「ハイパースペクトルカメラ」をがん細胞の識別に応用して高精度な診断を実現するANSWER for Pathologyの開発を中核とし、解析コンサルティングやWebアプリ開発受託も行っています。ハイパースペクトルカメラの活用に関しては、医療分野以外にも様々な分野で活用して解析を行い、ソリューションを開発してきました。今回は宇宙技術である「ハイパースペクトルカメラ」を、ドローンと組み合わせて活用することで、どのようなことが可能となるか、注意点とともに解説していきます。近年、ハイパースペクトルカメラをドローンと組み合わせて活用することは、急速に進んでいますので最新の動向とともにご案内します。

 

  記事のポイント💡

 ・ハイパースペクトルカメラとはどのようなものか?

 ・ハイパースペクトルカメラとドローンの組み合わせにより可能となること

 ・ハイパースペクトルカメラとドローンを組み合わせる際に注意すべきこと

 

  1. ハイパースペクトルカメラとは?

ハイパースペクトルカメラは、従来のカメラの色彩情報が3原色であるのに対し、141原色の色彩情報を有し、人間の目では見分けることの出来ない色(=ゴーストカラー)の違いを見分けることが出来るカメラです。また、従来のカメラとハイパースペクトルカメラの中間ほどの色彩情報を有するカメラとして、マルチスぺクトルカメラがあります。

※ゴーストカラー・・・可視光領域における人間の目で識別できない色に対する当社独自の呼称

 

 

なお、当社ではハイパースペクトルカメラを、市場に出回っている製品から「特定範囲の波長帯を数十~数百の波長のまとまりで分割した情報(分光情報)とその位置情報(ピクセル)を同時に取得できるカメラ」と定義しています。

波長数の多さや連続的なスペクトルを取得できることを要件とするケースもありますが、それぞれの方式にメリットがあるので広義に捉えています。

 

参考:SPECIM、スペクトラルイメージング株式会社

「ハイパースペクトルイメージングとは?」

https://www.specim.com/technology/what-is-hyperspectral-imaging/

 

参考:Milk.株式会社「ハイパースペクトルカメラとは?

https://www.milk-med.com/blog/2024-03-25/

 

  1. ハイパースペクトル×ドローンでできること

ハイパースペクトルカメラとドローンの組み合わせは、近年、技術の進歩とともに多様な分野での応用が急速に広がっています。ハイパースペクトルカメラは、従来のRGBカメラでは捉えきれない物質のスペクトル情報を高精度に取得できるため、農業、環境モニタリング、地質調査などで革新的なソリューションを提供しています。ハイパースペクトルカメラは、物質の化学組成や物理的特性を詳細に分析することが可能であるため、ドローンにこのカメラを搭載することで、広範囲のデータを効率的かつ高精度に収集できます。以下に主な応用分野をご紹介します。

 

a.スマート農業

ハイパースペクトルカメラをドローンに搭載して、広範囲を撮影することで、作物の生育状況や病害の早期発見、収穫時期の最適化などに活用されています。例えば、葉のクロロフィル含有量を測定し、適切な施肥や灌漑のタイミングを判断することが可能です。

 

 

b.環境モニタリング

水質汚染の検出、土壌の劣化状況の評価、森林の健康状態の監視など、多岐にわたる環境保全活動で利用されています。特に、水域や土壌、植生などのスペクトル情報を監視することで、環境監視や生態学的評価に重要なデータを収集可能です。特にハイパースペクトルカメラをドローンに搭載することで、環境調査や災害時の被害評価を迅速に行うことが可能となります。

 

c.インフラ・設備の点検

ハイパースペクトルカメラをドローンに搭載することで、橋梁・道路・送電網といったインフラや工場設備などの劣化を効率的に点検することが可能です。ドローンによる撮影によって、広範囲の点検を要するこれらの対象物についても、高精度で効率的に劣化を識別することが可能となるため、大きな省力化を実現することができます。

 

 

  1. ハイパースペクトルカメラとドローンを組み合わせる技術の最新動向

最新のハイパースペクトルカメラは小型化と高性能化が進み、ドローンへの搭載が容易になっています。ドローンに搭載するためには、小型で軽量、かつ、高性能である必要があり、今後、急速に開発が進むことが予想されます。また、AIとの組み合わせにより、取得したスペクトルデータの解析精度が向上し、リアルタイムでの異常検知や予測が可能となってきています。このことにより、リモートセンシングの分野において、ハイパースペクトルカメラ×ドローンの組み合わせは特に注目されています。農業や建設現場、インフラなど人手不足が社会問題となっている分野においては、省力化を実現するソリューションとして活用が進むものと思われます。

 

  1. ハイパースペクトルカメラとドローンを使う時、注意すること

ハイパースペクトルカメラをドローンに搭載する際に注意すべき点は、小型化して軽量であることに加えて、高い性能を様々な撮影条件の中でも精度高く発揮できるかということです。言い換えれば、分光精度の高さが担保できるかということになります。ドローンに搭載するということは、空中で風などの影響も受け、不安定な状態で撮影することになりますが、そのような撮影環境であっても高い分光精度を維持することが出来るかどうかという点が重要となります。このようにドローンに搭載するハイパースペクトルカメラを選ぶ際は、大きさや重さ、分解能の高さといったスペックだけではなく、分光精度の高さという実用性に注意すべきであるといえます。

 

  1. ハイパースペクトルカメラをお探しならMIlk.

以上のように、ハイパースペクトルカメラ×ドローンの活用は、今後さらに広がっていくことが予想されます。そのような流れの中で、ドローンに搭載するハイパースペクトルカメラは大きさや重さといったハード面が注目されがちですが、実際にドローンで撮影する際に精度が高くなければ目的は達成できません。この点、当社のハイパースペクトルカメラは天地方向にしても分光精度を維持することができる仕様となっており、分光誤差は0.3nm以下という極めて高い精度となっている点が特徴です。そして、当社は多くの解析実績に基づくノウハウと、独自開発した解析ソフト”ANSWER”があります。当社ではハイパースペクトルカメラを活用した解析により、狙う波長を特定した上で、マルチスペクトルカメラ等、分解能のスペックを落として扱うデータ量を限定することで、実装に向けた開発を見据えたサポートを提供しております。このように当社では、お客さまの目的に合わせて開発をしており、ドローンへ搭載をした実績も数多くございます。ハイパースペクトルカメラにご興味を持たれましたら、是非、当社までご連絡ください。

 

参考:Milk.のスペクトルAI計測サービス

https://hscform.milk-med.com/

 


 

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