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2024.10.27 ハイパースペクトルカメラ

ハイパースペクトルカメラとは?ハイパースペクトルカメラの撮影方法と注意点

2024.10.27 お知らせ

Milk.株式会社は宇宙技術「ハイパースペクトルカメラ」を中核技術として所有するディープテックスタートアップです。現在は、「ハイパースペクトルカメラ」をがん細胞の識別に応用して高精度な診断を実現するANSWER for Pathologyの開発を中核とし、解析コンサルティングやWebアプリ開発受託も行っています。ハイパースペクトルカメラの活用に関しては、医療分野以外にも様々な分野で活用して解析を行い、ソリューションを開発してきました。

  記事のポイント💡

 ・ハイパースペクトルカメラとはどのようなものか?

 ・ハイパースペクトルカメラの撮影方法について解説

 ・ハイパースペクトルカメラのプロである当社が撮影時の注意点を解説

 

1.ハイパースペクトルカメラとは?

ハイパースペクトルカメラは、従来のカメラの色彩情報が3原色であるのに対し、141原色の色彩情報を有し、人間の目では見分けることの出来ない色(=ゴーストカラー)の違いを見分けることが出来るカメラです。また、従来のカメラとハイパースペクトルカメラの中間ほどの色彩情報を有するカメラとして、マルチスぺクトルカメラがあります。

※ゴーストカラー・・・可視光領域における人間の目で識別できない色に対する当社独自の呼称

 

 

なお、当社ではハイパースペクトルカメラを、市場に出回っている製品から「特定範囲の波長帯 を数十~数百の波長のまとまりで分割した情報(分光情報)とその位置情報(ピクセル)を同時に取得できるカメラ」と定義しています。

波長数の多さや連続的なスペクトルを取得できることを要件とするケースもありますが、それぞれの方式にメリットがあるので広義に捉えています。

 

参考:Milk.株式会社「ハイパースペクトルカメラとは?

https://www.milk-med.com/blog/2024-03-25/

 

2.ハイパースペクトルカメラの撮影方法

ハイパースペクトルカメラは、一般的に市販されているようなデジタルカメラやスマートフォンとは異なり、高度な専門知識に基づき撮影を行うことで、性能を発揮するカメラです。カメラ自体の分光方式をはじめとするスペックと撮影目的が合致しているかどうかという点が大前提ですが、その上で、撮影する際にも以下の要素について、①対象物の大きさ、②対象物の形状、③知りたい変化量などに応じて、最適な選定を行って撮影する必要があります。単純にハイパースペクトルカメラと対象物を用意して撮影すれば良いというものではなく、専門知識に基づき、撮影方法を選定していく必要がある点が特徴です。

要素

ポイント

レンズの選定

焦点距離、絞り値、画角、倍率、レンズ直径、収差補正の有無など

照明の選定

白熱灯、白色LED、ハロゲンランプ、ストロボライト、キセノンランプ、人工太陽灯など

撮影条件の選定

拡散板の使用、偏光板の使用、バンドパスフィルターの使用、ライトボックスや暗室での撮影、撮影台の使用など

 

3.ハイパースペクトルカメラの撮影時の注意点

ハイパースペクトルカメラを撮影する際は、専門的な知識がないまま撮影を行っても期待したような撮影結果が得られない可能性が高いといえます。撮影にあたって注意すべき代表的な要素を上記で述べましたが、それぞれの要素について簡単にご説明します。

 

a.レンズの選定

ハイパースペクトルカメラ本体に取付するレンズについて、どのようなレンズを選択するかは非常に重要です。望遠レンズや広角レンズなど、レンズには多くの種類があり、その中から最適なレンズを選定します。焦点距離や絞り値、画角、倍率、レンズ直径など、様々な要素を把握した上で選定していく必要があります。また、収差補正の有無も重要です。収差の詳細については改めて記載いたしますが、ここで述べておきたいことは「完璧なレンズは存在しないことを前提に、ノイズの入りづらい撮影方法を考えていく必要がある」ということです。

 

b.照明の選定

撮影時に使用する照明の選択も撮影結果に大きく影響します。照明の種類には、白熱灯、白色LED、ハロゲンランプ、ストロボライト、キセノンランプ、人工太陽灯などがあります。また、紫外線ランプ、積分球、ナトリウムランプといった照明もあります。このように照明には非常に多くの種類があり、新しい商品も販売されるため、常に最新の情報をキャッチしながら、それぞれの照明の特徴を踏まえ、対象物の大きさ・形状、知りたい変化量に応じて、最適な選定を行います。

 

c.撮影条件の選定

レンズや照明とともに、撮影条件の選定を行います。拡散板や偏光板を使用したり、バンドパスフィルターを使用することもあります。また、ライトボックスや暗室で撮影するようにセッティングをしたり、撮影台を使用することもあります。これらの撮影条件の構成要素を組み合わせて最適な条件にセッティングしていきます。その上で、撮影の際には対象物との位置関係(距離や角度)をしっかりと調整して撮影します。

 

4.ハイパースペクトルカメラをお探しならMilk.

以上の通り、ハイパースペクトルカメラによる撮影を行う際には、期待する撮影結果を得るためには、代表的な要素だけでもこれだけの要素について、最適な選定を行って撮影していくことが必須となります。そのため、ハイパースペクトルカメラは製造だけでなく、運用においても高度な専門知識が求められます。

当社ではハイパースペクトルカメラの製造・販売だけでなく、導入~運用までのコンサルティングをお客様に提供しています。ハイパースペクトルカメラにおいては、特に購入後の運用・保守のサポートが重要であり、当社では多くのお客様にサポートを行ってまいりました。導入段階だけでなく、導入後にもサポートさせていただくことで、お客様に実用性の高いソリューションを提供しています。ハイパースペクトルカメラにご興味を持たれましたら、是非、当社までご連絡ください。

 

参考:Milk.のスペクトルAI計測サービス
https://hscform.milk-med.com/

 

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